爆笑エピソード 

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自由への大脱走-前編-    (Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)


「僕はこんな場所で一体なにしてるんだろう・・・」

そう思うことってのは結構あるものです。自分では正しいとか真っ当だとか考えているのに、ふと思い返してみると何かがおかしい。何でこんなことになってしまったんだろう。どんなに自分を納得させようと思い返してみても納得できない。そんな状況がきっとあるはず。

僕が21歳くらいの時だったろうか、思い出すのは一つの風景だった。漆黒の闇に包まれた山村の畑。山間に3つほどの集落があり、その明かりだけが乏しく夜の闇を照らしていた。そして、静か過ぎるほどに静か過ぎる静寂。聞こえる音と言えば時折漏れてくる家畜用の牛の鳴き声だけだった。

零れ落ちそうな満天の星空を眺め、綺麗な満月の光を浴びてふと思った。

「なんで僕はこんな場所にいるんだろう」

皆目検討もつかなかった。家から数十キロ離れているであろう隣県の農村。ここから国道までだって相当な距離があるのは容易に分かる。俗世間とは隔離された別世界、緑の匂いは心地よいが、こんな文明と無縁の場所になんで立っているのだろうか。それもこんな真夜中にだ。

思い返してみると、どうにもこうにも納得できない箇所が多々ある。一体全体なんでこんな事態に陥ってしまったのか。少しずつ自分の記憶の糸を辿ってみた。

そう、あれはひょんな一言から始まったのだ。最初は気さくでボロいアルバイトのはずだった。全ては美味しい話に釣られた僕が悪かったのだ。

「楽なアルバイトあるんだけどやらない?」

大学の講義が終わり、売店でカレーパンを食べながら牛乳を飲んでいる時、そう話しかけられた。そこには友人として仲良くしていた同級生の加奈子さんが満面の笑みで立っていた。

加奈子さんは救いようがないくらいブスだったんだけど、講義ノートを貸してくれたり講義中にシャーペンを貸してくれたりするもんだから僕もまあ友人として懇意に付き合っていた。そんな加奈子さんからアルバイトのお誘いだった。

「ウチの弟の家庭教師なんだけどさ、やってほしいんだあ」

加奈子さんはブサイクな顔をさらに歪めて言い放った。なんでも、加奈子さんの弟の勉強を見て欲しい、そんな依頼らしいのだ。中学三年となり高校受験を控えた加奈子さんの弟、そんな多感でナイーブな時期のご子息を教えろという注文だった。

「いや、そんなの加奈子さんが教えればいいじゃん。曲がりなりにも国立大学入ってるんだしさあ、高校受験くらい教えられるでしょ」

僕も至極真っ当な反論をするのだけど、加奈子さんはこう反論する。

「ダメなのよー。あれくらいの子って身内が何言ってもダメなのよね。だからさ、他所の人が、それも男の人が言ってくれないと言うこと聞かないのよ」

なるほど。それも一理ある。

「でもさーウチってすごい山の中にあるでしょ、だから普通の家庭教師って来てくれないの。だから知り合いに頼めないかなって探してたの」

加奈子さんの実家は相当な田舎だと言うことは噂に聞いていた。もう、過疎まっしぐらと言わんばかりの容赦なしの山村で、猪とか出てきても誰も驚かないらしい。そりゃあ、そんな山村行くだけで大変だ、普通の家庭教師なんか来てくれないだろうなあ。

「行きと帰りの送迎するし、1日に1万円出すって言ってるしさ、お願い」

そう懇願する加奈子さんの顔はやっぱりブサイクで、これで断ったら自殺しちゃうんじゃないかという悲壮さを漂わせていた。

この当時、清貧学生で本当にお金がなくて、米も買えなくてフリカケだけを食べるという劣悪なる食生活を営んでいた僕にとって、1日1万円という報酬は本当に魅力的だった。

「いいよ。暇だし。そのかわりちゃんと送り迎えしてよね」

こうして、僕は加奈子さんの実家に行くことになり、そこで彼女の弟の勉強を見ることになるのでした。まさかあんな地獄が待っているとは露も知らず・・・。

「恥ずかしいなあ、すごい田舎なんだよ。ビックリしないでね」

ご自慢の軽自動車のハンドルを握りながらそう言う彼女の横顔はやっぱりブスで、どうしようもなかった。車はどんどんと容赦ない大自然の中へと走っていく。マジでビックリするほどのレベルの田舎。

眩しい緑とその木々が作る木漏れ日の中、ワインディングロードを加奈子さんの軽自動車が爆走していくのだけど、僕はその間ずっと「もしこいつと無人島で2人っきりになったら・・・あかんあかん、無理だ」などと考えていた。

そうこうしていると、車は国道から大きくはなれ、明らかに誰も通らないだろうというショボイローカルな道に出た。で、そこをさらにしばらく走ると物凄く水の流れが綺麗な川があって、そこに架かった今にも崩れそうな石の橋を渡った。

「おつかれさま。ここが私の家」

見ると、山の合間に綺麗に畑が形成され、そこに3軒ばかりの民家が点在している集落が広がっていた。四方を山に囲まれた閉鎖的な集落、なんというか閉鎖的過ぎて変な因習だとか夜這いの習慣、悪魔崇拝とかがはびこっていてもおかしくない雰囲気だった。

加奈子さんの実家は、その三軒の民家の中でも一番立派な屋敷だった。もちろん所有している畑も一番広そうで、集落のリーダー的雰囲気がムンムンとしていた。

「ちょっと待っててね、弟呼んでくるから。あ、お母さんただいまー!」

まさに実家、自分のくつろぎスタイルといった雰囲気を漂わせた加奈子さんはやけに立派な玄関をドヤドヤと上がると奥の方へと消えていった。

ポツンと玄関に取り残された僕。まさか僕も勝手にドヤドヤ上がっていって台所行って冷蔵庫開けたりしてアットホームにくつろぐわけにもいかないし・・・とかどうしていいか分からずにボーっと立っていると

「こんにちは」

と、見るからに「こんにちは」って嫌々言わされてますよ!ってな雰囲気のクソガキが立っておりまして、手にはゲーム機のコントローラー持ってるんですよ、これが。

それを見た瞬間思いましたね、ああ、コイツは強敵だな、と。だって、ゲームのコントローラーを持ってるって尋常じゃないですよ。どんだけゲーム大好きやねんって話ですよ。

しかもな、この弟の顔がすごくて、もうまんま加奈子さんのコピー。クローン人間みたいなんですよ。まあ、姉弟だから当たり前なんでしょうけど、それにしてもコピー過ぎる。違うのは髪形だけ。

でまあ、彼の部屋ってのが農耕用の牛を飼ってる牛舎の二階で、そこで勉強するんですけど、一階では興奮した牛がンモーとか柱に体当たりして牛舎全体がズモモンと揺れたりするんですよね。

で、いちおー彼も高校受験を控えた中三ってことでそれなりのレベルの勉強を始めるんですけど、これがとにかく凄い。一番得意だって言う数学からやったんですけど、分数の割り算ができない。分数の掛け算ができるのに割り算ができない。どういうこっちゃ。

「いやな、割り算は上下を逆にするんよ、で、あとは掛け算と一緒」

とか、加奈子さんと同じ顔した弟に教えるのですけど、全然出来ない。1/6を上下逆さにして1/9とかにしてましたからね。上下逆さの意味が違う。数字が逆さになってるだけじゃねえか。

で、おまけに勉強しながらゲームしたくてしたくて仕方ないみたいで、部屋の隅にあったスーファミだかプレステだかのゲーム機をチロッチロと15秒に一回くらい見てるんですよ。捨てられた子犬みたいになりながら悲しげな目でゲーム機見てるの。全然集中してない。

一番得意な数学でこれですから、一番苦手な英語はもっと酷くて、単語練習とかしながら呼吸が荒れてくるんですよ。「ぜぇぜぇ」とか走ってもないのに苦しそうで、余程英語が嫌いなんだなってのが如実に分かる。

終始そんな調子で酷い有様の家庭教師をし、隙さえあればゲームに身を投じようとする彼と「先生ゲームしようよ、俺強いよ」「ダメ」というやり取りをし、ゼェゼェと荒い息遣いで勉強する彼。ンモーという鳴き声と共に揺れる部屋。そんな調子でした。

そんなこんなで、こりゃダメかもわからんね、と思いつつも数時間の勉強タイムが終了。すっかり夕方になり、牛舎の二階から見る一面の畑が夕日に照らされ綺麗でした。

さあて、そろそろ帰ろうかな、いい加減帰らないと真夜中になっちゃうし、しっかしこれで1万円とはボロい商売だぜ、とか思っていたのですけど、なにやら様子がおかしい。

「せっかくですから、夕食も食べていってくださいよ」

そう言う加奈子さんのお母さんは加奈子さんと同じ顔でした。で、夕飯を食べて帰れ、もう用意しちゃったからというお告げ。正直早く帰りたかったのですが、さすがにそこまで言われては帰るわけにはいかない。それに、加奈子さんが運転してくれないと帰れないしね。

それにしても、加奈子さん、弟、お母さんと皆同じ顔でブサイクなんだなーと己のブサイクさも省みず夕飯の席についたのですが、そこでさらに衝撃の事実が明らかになりました。

うん、お父さんも同じ顔。

いやいや、お母さん-加奈子さんラインとかお父さん-弟ラインが同じ顔とかなら分かるじゃないですか。血の繋がった肉親ですし。でも所詮は他人の夫婦であるお父さん-お母さんラインが同じ顔をしている意味が分からない。

なんだなんだ、こりゃ。こりゃ一体どんなパラレルワールドですかな、とか思っていると料理が運ばれてきたんですけど、これがまた「うっかり作っちゃった」とは言えないレベルの豪勢さ。明らかに僕という客人に向けて照準を合わせたとしか思えないレベル。この辺からですね、何かがおかしいと思ったのは。

で、祭りの時でもこんな豪華な食事は出ないぜって言う食事を食べつつ皆同じ顔した加奈子さんファミリーと談笑してたんですけど、やはり会話の内容が何かおかしい。

さっきまで「先生」って呼んでたクサレ弟は「お兄さん」って僕のこと呼び出すし、お父さんに至っては「君は農作業に向いてる体つきだ」とかトチ狂ったこと言い出す始末。お母さんに至っては「加奈子もいい人見つけて」とか魔の呪文みたいなこと言い出して、で、当の加奈子さんは「やだもー!」とか顔を紅潮させて勝手に盛り上がってる始末。なんだこれ。

おまけに棺桶に片足突っ込んでるような爺さんが出てきて、「ええ跡取りができた」とか、それこそミステリー小説なんかで殺人が起こった後に出てきて「山神様の祟りじゃ!」とか言いそうな雰囲気で言うんですよ。

どうにもこうにも、なんか農業に興味はあるか?とか執拗に聞かれたりして、農家を継ぐとか、加奈子さんと結婚とか。ええーーーーっ!

とまあ、用意周到張り巡らされた罠に気がついたときは時既に遅し、何故かビールとかまで飲まされて、「加奈子も飲んでみろ」「えー、お父さんたら」とか同じ顔した同士が言い合って加奈子さんまで酒を飲む始末。もう車を運転して帰れない。

「もう遅いですし泊まっていってください」

という言葉に甘え、クサレ弟と野球の対戦ゲームして、風呂はいって、お父さんのパジャマ借りて、さあ寝るかーって思って客間に用意された布団に入ろうとして、その前に折角だから夜の畑でも見てみよう!って思って外に出た瞬間に思ったのですよ。

「僕はこんな場所で一体なにしてるんだろう・・・」

本当、あまりにナチュラルな流れに忘れかけてたんだけど、明らかにおかしい。僕がこんな場所でパジャマ着て、なんか知らないけど団欒の時を過ごしてるのはおかしい。なんだ、何でこんな場所にいるんだ。

もしや、このままこの場所にいたら本当に農家の跡取りにされるのでは。いつのまにか加奈子さんと既成事実を作ることになり、彼女と同じ顔した子供を作る。で、農作業に勤しむ僕。ひえーーーー!

そう思った瞬間、ふいに思い出したのです。そういえばココに来る時、加奈子さんはやけに大きなバックに荷物を大量に詰め込んでいた。今考えると日帰りで実家に帰るにしては多すぎる荷物・・・。間違いない、ヤツは何日も実家に居るつもりだ。そして、僕を帰さないつもりだ。で、いつの間にか既成事実とか同じ顔をした子供とか作る気だ。

そう思った瞬間、僕は決意しました。「逃げよう」と。

このままココにいたのでは間違いなく何日かは帰れない。その間に変な事実が出来てしまう前に帰ろう。チャンスは全員が寝静まってる今しかない。これは自由を賭けた戦いだ!

こうして、閉鎖された山村からの僕の大脱走作戦が始まるのでした。

自由への大脱走-後編-

(Numeriより転載)

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自由への大脱走-後編-      (Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)


前回のあらすじ
楽して高給バイト!そんな謳い文句にまんまと騙された僕は、車に乗せられて遠く離れた山奥の山村へと連れて行かれるのでした。そこには無表情に同じ顔をしたクローン兵士どもと世界征服を企む闇の要塞が広がっていたのでした。人類存亡を賭けてクローン軍団と闘うことを決意する僕。果たしてどうなる!?今度は戦争だ!

なんてことは全然なくて、大学時代のクラスメイト加奈子さん(ブス)に騙されて実家まで行ったら農家の跡取りだとか祝言だとかいう話になっていて、こりゃたまらんと逃げる決意をしたって感じです。まあ、詳しくは前の日記を読んでやってください。それでは続きどうぞ。

とにかく、一刻も早くココを逃げ出さねばならない。さもなくば、何日かこの地に軟禁状態、知らず知らずのうちに既成事実やら同じ顔した加奈子さん(ブス)の子供なんかを作らされて、下手したら3日後くらいには甲斐甲斐しく牛の世話やら畑の世話をしていい汗かいてる僕がいるかもしれない。いかんいかん、そんなのよくない。そんなことになったら毎日がエブリデイだわ。

いやいや、決して農業が良くないとは言わないけど、僕にだってそれなりの夢はある。こんなところで畑を耕しているわけにはいかないのだ。それよりなにより、ブスな加奈子さんと結婚とか、そういうのは・・・。僕も人のこととやかく言える容姿ではないのだけど、やっぱ好みとかあるから・・・。

「とにかく、この山村から逃げるしかない」

自由という名の栄光に向けて脱出するには、加奈子さん一家が寝静まっている夜中しかチャンスはない。しかしながら、ざっと考えるだけでも幾つかの問題点が挙げられてしまう。こいつのことを考えるとなかなか厄介なのだ。

第一に、道をあまり覚えていないというのが挙げられる。来る途中、加奈子さんが運転する車でボーっと加奈子さんの横顔を「あんたブスだぁ、間違いなくブスだぁ。でも誰も恨んじゃいけねえ、俺だってその気持ちは良く分かる、でもな自分に同情しちゃダメなんだよ。それだけはダメだ。自信持っていきなよ」なんて思いながら眺めていたもんだから、ココまで通った経路を全く覚えていない。

おまけに、今は漆黒の闇が広がる夜。都会や町のそれとは違い、山間部の夜は本当に容赦ない。外灯なんて気の利いた文明の利器などありゃしないし、車の往来だって殆どない。ただただ闇に向かってうねる様に続くワインディングロードがあるだけ。まさに一寸先は闇、とてもじゃないが脱出しようがない。

そんな難攻不落、脱出不可能な要塞を前に呆然となるのだけど、それより以前にもっと根本的な問題に気がついた。道を覚えてないだとか明かりがないだとか、そういったのを超越した問題点がある。

うん、服がない。

なんか途中まであまりのナチュラルさにおかしいと気が付かず、同じ顔に囲まれて家族団らん、物凄くリラックスしたひと時を過ごしてたものですから、お風呂をおよばれして服脱いでパジャマとか着ちゃってるんですよね。

このパジャマがまた酷くて、たぶん加奈子さんのお父さんのものなんだろうけど、あきらかにサイズが小さい。上着なんてピッチピチではちきれんばかり、一時期チビTシャツとかが流行した時に、「ぽっちゃりです」って言って譲らないデブがそういうの着てボンレスハムみたいになってたんですけど、それみたいな状態になってるんですよ、これが。

ズボンなんてもっと酷くて、決定的に長さが足りない。もう弁慶の泣き所くらいまでしかなくてさ、別の意味で泣ける光景になってて、一歩間違えると頭の弱い子供の半ズボンみたいになってる。いくらなんでもこのナリじゃあ、脱出に成功してもその足で鉄格子の付いた病院にゴーになりかねない。

「まずは服だ、服を奪還しなくては」

暗闇の畑と対峙しながら、僕はそう呟いた。こうして、山に囲まれた要塞の如き集落、つまりは加奈子さん(どブス)の実家からの決死の脱出作戦が始まったのだった。

玄関のドアを開け、ソロリと中に入る。そいでもって用意された寝室へと赴き、枕元に置いてあった財布だとかの小物を回収する。

さて、次は僕が着てきた洋服だ。風呂に入る前に脱いだ洋服は何故だか知らないが風呂から上がると忽然と消えていた。「一丁あがり!」と訳のわからないロゴがポップに書かれたパンツまで消えていた。そして変わりにあの無茶なパジャマが置いてあったのだ。これから察するに、おそらく加奈子さんと同じ顔したお母様が洗濯か何かに持っていったのだと思う。

もう、僕の服を洗濯する時点で「逃がさないぜ」という加奈子ファミリーの熱いソウルを感じずにはいられないのだけど、そうはいかない。僕はなんとしても服を奪還して逃げ延びてみせる。こんな囚人服みたいなパジャマとはおさらばだ。

コレまでの人生でここまで気を使ったことはないぜ!というレベルで忍び足を敢行し、ソロリソロリと加奈子家の台所を歩く。目指すは風呂場の横にあった洗濯部屋みたいな小部屋。あそこにきっと僕の服があるに違いない。忍びの様な慎重さで洗濯部屋に向かう。

正直、電気を点けるのは目立ちすぎるので控えようと思ったのが、田舎町の闇ってのは思いのほか深く、このままではどれが自分の服なのか判断しかねるので洗濯部屋の電気を点けた。で、目ぼしそうな洗濯カゴなどを漁ってみるのだけど、どこにもそれっぽいのがない。

出てくるのは加奈子さんのだかお母さんのだか分からない下着ばかり。これじゃあ下着ドロと何ら変わりない。普通は下着にいたく興奮する僕なのだけど、それが加奈子さんもしくは同じ顔をしたお母さんのだと思うと全く興奮しない。饅頭を包む布以下の存在。どうでもいい。

それでも自分の服はないものかと必死で探すのだけど出てこない。そうこうするとビビッドな赤色の切れ込みが物凄いエロス過積載なパンティエとか出てきて、これ加奈子さんがはくのかな、いやいやお母様がとか考えちゃったりして「世の中には知らない方が幸せなこともあるんだ」と見なかったことにして洗濯カゴに押しやったり。

もしや・・・すでに洗われてる?

脳裏に嫌な考えがよぎった。悪寒のようなものを感じ、洗濯機の蓋を開いてみた。するとそこには明らかに汚れが溶け出しているとしか思えない灰色の水の中にプカプカと浮かび上がる僕の服たちが。コイツら本気だ、本気で僕を帰さないつもりだ。もう服を洗おうと水に浸けてやがる。きっと朝一で洗濯しようとスタンバイしてるんだな。

加奈子家とは一刻も早く繋がりを絶ちたい僕。このまま服を置いて帰っても繋がりは残るし、パジャマだって返したい。そう、残された道は、この服を着て帰るしかない。

泣く泣く洗濯機に向かって服を絞る僕の姿がそこにありました。もう服とか千切れるんじゃねえって勢いで力を込め、人を絞め殺すときでもこんなに力を入れないんじゃないかって勢いで脱水しました。その甲斐あってかある程度服は乾いたのですけど、やはり着てみるとビチョッと濡れた感触が。

とにかくパンツまで濡れてるってのは絶望的に気持ち悪く、どうにかしたいのですが背に腹は変えられない。仕方無しにそのまま忍び足で洗濯部屋を脱出し、寝室へと戻ったのでした。

で、さすがに、いきなりこの家を脱出して行方不明とか、勘違いした加奈子ファミリーが地元のボランティアや猟友会の力を借りて山狩りとかしだしかねませんので、とりあえず置手紙をすることに。台所に置かれた電話機となんか有線受信機(田舎の集落の連絡手段はもっぱらこれ)の横に置いてあったメモ帳とボールペンを借りて書く。

「急用を思い出したので、帰ります」

こんな山村から真夜中に飛び出すとか、どんなレベルの急用やねんって話なんですけど、とりあえずそんな置手紙を台所においていよいよ脱出。

まだビチョビチョと濡れる服を引っさげ、時折肌に触れる冷たさに「あひょう!」とか声を上げそうになるのだけど、なんとか堪えて抜き足差し足。アサシン並みの慎重さで抜き足差し足。

勝手口のドアがボロくて、あけるとギイイイイイイとかドラキュラが出てきそうな音がするんだけど、それでもなんとか静かに開ける。そしていよいよ舞台は屋外へ。

勝手口を出た瞬間に目の前には牛舎があって、なにやら夜中なのに興奮した牛がンモー!とか騒ぎ立てるのだけど「シー!」となだめて歩みを進める。ついには敷地から脱出し、畑の中の真っ暗な一本道を通って来るとき通った石橋へ。ここで不審な気配に気がついた加奈子さんあたりが起き出してきて山姥みたいにして追いかけてきたら恐ろしかったのだけど、そんなことはなく難なく石橋へ。

やった、もうココまでくれば集落はおしまいだ。そう、もう僕は自由なのだ。帰らせてもらえず農家を継ぐこともない。そう、俺は自由な鳥なのだ!はははは、誰も俺を縛れないぜ!

と思ったのもつかの間、集落を抜けても今度は国道まで鬼のようなアップダウンのきついワインディングロードを歩かなくてはならないことを悟り軽くブルーに。しかも街灯なんかカケラも存在せず、道も真っ暗。車だって通りゃしない。幽霊だってこんな場所通らないぜ。

しかも、ここはほぼ一本道なので、気づいた加奈子ファミリーが車で追いかけてきたら即座に発見されそうなので危険と判断。道から少し外れた藪みたいな場所を選んで歩く。もう野を駆け山を駆け草を掻き分けって言葉が適切なほど適切で、涙涙の大脱走。

「あんな美味しいバイト話に釣られるからこんな目に遭うんだ」

と自業自得を身をもって痛感。足は痛いわ暗くて怖いわ虫がいて気持ち悪いわで、泣きながら数キロ歩いてやっとこさ国道に出ました。

国道はいくらか街灯があって明るいですし、車の往来も田舎だから少ないものの若干ある。なんとか自分の街があるであろう方向に向かってトボトボと歩き始めました。まだまだ先は長い。そうそう、この時点で濡れてた服が体温で乾いてた。

そこからまた数キロ歩いていると、ガーッと僕を物凄い勢いで追い抜いていったトラックが先の方で急停車し、僕がそこに到達するのを待って運転手さんが話しかけてきました。

「自分、こんな場所でなにやってるん?」

「いやー、ちょっと訳ありで脱走してきまして」

「困ってるんか?じゃあまあ、乗れや」

こうして親切なトラック運転手さんに拾われ、僕は助手席で最初のアルバイトの話が来た部分から事の顛末を熱弁。すると運転手さんは

「そりゃあ災難だったな。こんな時間にあんな何もない場所歩いているから幽霊か殺人犯が死体を埋めに来たのかと思ったよ、がははははは。まあ、街まで乗せていってやるよ」

と善人としか思えないことを言ってました。いやー、世の中には親切な人もいるもんだなーと思いつつ車内を見回してみたのですが、そこでおかしな点が一つ。

いやいや、普通、トラックの運転手さんってエロスなカレンダーを車内に飾ってるじゃないですか。誤解を承知で言ってのけると、99%くらいの確率でアッフーンって感じのエロいカレンダーが飾ってあって、トラック協会か何かで決まってるのかと思ってるほどなんですけど、この運転手さんは飾ってないんですよ。

その代わり、車内にはマッチョな男性のポスターが。

いやいや、そりゃあおかしいじゃないの。普通は金髪エロスのカレンダーって相場が決まってるのに、マッチョ男性のポスター。おいおい、コイツもしかしてホモなんじゃないか。そいでもって僕は乗せてもらった見返りに体とか要求されて、「天井のしみ数えてればすぐ終わるから」とか言われるんじゃないか。とまあ、戦々恐々としながら「世の中には知らない方が幸せなこともあるんだ」と自分に言い聞かせて助手席で小さくなってました。

「ちょっと休憩していくか!」

と言われた時は、その先にシンデレラ城みたいなホテルがあって、もう一巻の終わり!貞操の危機!みたいな状態になったと思ったのですが、普通にドライブインで缶ジュース奢ってもらいました。いい人やないか。

結局、近くの街(といっても田舎)の駅まで乗せていってもらい、そこで夜を過ごした僕。始発が出るのを待ってなんとか無事生還することが出来たのでした。まさに世紀の大脱出だった。

後日、大学で見た加奈子さんはやっぱりブスでどうしようもなかったのですが、なんとなしに僕とは話しにくいようで次第に疎遠に。講義ノートも貸してくれなくなりました。

これは噂に聞いた話ですが、その後も学内の友人も何人か加奈子さんに家庭教師のアルバイトに誘われたそうなのですが、僕の体験談を知っていた彼らは全員拒絶。熱烈に拒否。

唯一あまり仲良くなかった吉田君が毒牙にかかったようなのですが、彼はなぜか暫くして大学を休学してフェードアウトするかのように退学しました。一体彼に何があったのか、まさか今ごろ既成事実を作らされて山村で農家でも・・・と思ったのですが、まあ、世の中には知らない方が幸せなこともあるんだと言い聞かせることにしました。吉田君、今でも元気にやってますか。

そうそう、結局バイト代はもらってなかった。 

(Numeriより転載)

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援助交際女子高生と対決する  

(Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)

えー 、11/02の日記で少しお話したのですけど、僕は最近2ショットチャットに興味津々でして、何度かチャレンジを続けています。

しかし、足繁くチャットに通うのですが、いつも満室状態。体験するには至っていませんでした。

ところが、先日、遂に「空室」を発見し、部屋に入ることができたのです。

部屋に入ったからには女性を惹きつけて離さないような魅惑的な自己PRを考えなくてはなりません。これは前回学習済みです。

で、僕が書き込んだ自己PRがこちら

やっぴー、○○市に住む、ナウいナイスガイです。C-C-Bとか積極的に聞きます。比較的エロい娘の入室を心待ちにしております。

こんなPRを見て、「よし、入ろう!」などと思う女性がいるでしょうか・・・。我ながら情けないです。

そして待つこと一時間。

娘っこが入ってきました!もう興奮のるつぼですよ

娘っこの名前は「りな」ちゃん 16歳の高校生とのこと。もう「16歳」「女子高生」ってだけでウハウハですよ

既に僕の頭の中は良からぬ妄想でイッパイです。

 

待てよ待てよ、イキナリこの欲望の塊を彼女にぶつけてしまってはいけない。引かれて逃げられては元も子もないのだから・・・。

いやいや・・・エロい娘希望と書いて入ってきた娘だぞ、相当にエロいはずだ。ならば直球で・・・・

 

様々な思いが交錯します。迷い、焦り、不安、全てが入り混じり僕は何も打ち込めない状態に、

何のためのチャットなんだか・・・。

するとそれを察した「りな」ちゃんが積極的に話し掛けてくれるじゃないですか、

なんて優しい娘なんだ!もう惚れた!ああ惚れた

ちょっと内気でシャイな私をフォローするかのように語りかけてくれるのです。

僕は2ショットチャットで天使に出会いました。

以下に「りな」ちゃんのセリフを抜粋します

りな:こんにちわ、patoさん

りな:patoさんは何歳なの?

りな:へぇーお兄さんだね。私は16歳 高校生だよ

りな:ねねね、お兄さんってかっこいい?

りな:うーん、、、、ま、私はあんまりかっこいい人は好きじゃないしね

りな:やっとテストが終わったの!遊びたいってかんじ

うんうん、いい娘や、いい娘や

都合により、僕のセリフは載せませんが、さらに会話は続きます

りな:え!?エッチなこと??うーん嫌いじゃないね

りな:そうなんだあ、照れるね

りな:りなねえー、最近お金がなくて困ってるの

りな:お兄さん、今から会える?

りな:お兄さんってリッチ?

なにやら会話が怪しい方向へ・・・・。

間違いありません、コイツ、援助交際目的です

くぅー、最近は若者の性が乱れているとは聞いていたが、まさか自分が遭遇するとは・・・

わずかばかりのお小遣い欲しさに性を切り売りする女子高生

それで得られるのはブランド物のバッグかい?お財布かい?

僕は売春自体は否定しませんが、青少年の売春には否定的です。

さらに会話は続きます。

りな:あのさー、4は欲しいの(注:4万は出せよと言う意味らしいです)

りな:会うわけ?会わないわけ?

りな:ハッキリしてよ!むかつく

りな:ねえ、もしかしてお兄さん童貞?

彼女は煮え切らない私にご立腹の様子。

この後も、とてもココには書けないような罵声を延々と浴びせられます。

 

だんだん、こちらも腹が立ってまいりました。

もう我慢汁の、いえいえ我慢の限界です

こういう場合、いくつかの選択肢があります

 

1.ムカツクので相手にしない

2.チャット弁慶よろしくで力強く反論する

3.とりあえず4万で買ってみる

 

正解は

4.ネタにする

とりあえず、ムカツクのでコイツをネタにすることを決意。プランを練ります。

 

この作戦のポイント

「りな」に会いに行き、どんな娘かをとりあえず観察

軽く行動を共にする

売春の契約を結ぶこと自体が法律的に危ういかもしれないので絶対に「買う」約束はしない

もちろん買いもしない

欲望に負けて買ってしまわないよう所持金は2000円とする

とにかく朗らかに朗らかに、にこやかに彼女と接する

向こうが援助交際を切り出したらイキナリ切れる

泣くまで説教

ブチ切れ&説教は二人っきりのところではやらない。相手には恐怖感を与えない、やるなら他人が大勢いるところで

 

このプランで行ってみようかと思います。

もちろん、これは「俺が世直ししてやる」という正義ではありませんし

この女子高生を更正させてやるやるなどというつもりも毛頭ございません

ただ「りな」がムカツクので泣かせてやりたい、そんな小学生みたいな動機です。

俺:よし、じゃあとりあえず会うだけ会ってみようよ

りな:会うだけ?それってすっごい困るんだけど

執拗に「援助交際をする」という約束を取り付けようとする「りな」

そうはいきません、僕は絶対に契約しません

あの手この手で迫る「りな」をなだめつつ、すかしつつ会う約束を取り付けます

作戦開始です。

 

おめかししつつ「りな」の指定した待ち合わせ場所へ

そこには、チャットで指定された通り、赤い傘を持った女子高生が立っていました。

マジでカワイイ・・・・

ほんとにカワイイのですよ。

本上まなみをキツクした感じなのですが、それはそれでいい。

本当に心が揺らぎましたね。

買ってしまおうかと・・・・・。

危ない危ない、そんなことしたらネタになるどころか逮捕されちゃう

大体2000円しか持ってないし。

などと後ろ髪ひかれる思いで作戦を実行することを決意。

 

とりあえず「りな」に話し掛け

軽く談笑の後にメシを食いに、そこでも

 

りな:お兄さんって優柔不断だよね

りな:クラスの大谷に似てる、その陰気なところが

りな:大谷?キモイオタッキーだよ空気みたいなヤツ

りな:お兄さんって童貞でしょ?

 

などなど、こっちが泣きそうになる発言を連発。

もう我慢汁の、いやいや我慢の限界です。このアマ絶対に泣かしてやる

 

チープな食事も終わり、いよいよお会計。

何も言わずに「りな」は店の外へ

まあ、わかってたけどね。飯ぐらい奢ってやるさ、そこまでケチではない。

でもなでもな、その態度は頂けんぞ、こっちは持ち金の8割方を飯に使ったんだぞ

絶対絶対、泣かしてやる

 

さあ、金もないし、行くところもないしで、とりあえず人通りの多い場所へ

ちょっとしたショッピングモールの中央広場

マッタリとベンチに座り、「りな」と談笑

 

りな:お兄さんってさ、彼女いるの?

りな:ふぅん、やっぱりね

 

りなちゃん快調に飛ばしております。

もう、わたくし堪忍袋自体がはちきれんばかり

 

りな:でさ、4で買ってくれるの?

 

来ました!遂にコイツ援助交際を持ちかけてきましたよ。さあ、精一杯キレましょう

グイッと「りな」を睨みつけて、一気にいきましょう

 

「グルァ!援助交際なんかしてんじゃねえ!!!」

(はじめて文中でデカフォント使うぐらいキレてみました)

 

広場中に響き渡るような大声で怒鳴ってみました。

もう、「りな」はケント・デリカットが、おはようバズーカ喰らったような顔して呆然としてました。

まあ、そうでしょう。さっきまで言われるがままに朗らかに話していた青年が突然ブチ切れしたんです。

道行く人々も驚いてこちらを見ています。注目度はMAXです。

女子高生相手に本気でキレるいい歳したオトナ

かなりみっともなかったと思います。

 

さあ、あとは泣かすだけです。かなり悪趣味ですが最初に決めたことです。心を鬼にしてやりましょう。

 

俺:「大体な、援助交際って聞くとライトな乗りかもしれないがな、それって売春だぞ。売春。元々、売春って言うのは・・・・」

 

延々と遊郭の話や赤線、青線の話、そして援助交際にまつわる怖い話などを織り交ぜて説教を致しました。

 

りな:「なによ!アンタに関係ないじゃん!ムカツク」

 

彼女は反論こそしますが、なかなか泣かないご様子。もう疲れてきました。

まあ、そこは16,7のクソガキ。反論と言ってもたいしたことはないのですが、

 

りな:「わたしが楽しんでお金もらえんるんだからいいじゃん関係ないでしょ、ムカツク」

りな:「他の友達だってみんなやってる、ムカツク」

りな:「買う人のほうが悪い、ムカツク」

 

どうにもこうにも、段々と反論がしょうもない領域になってくるのですが、これをことごとく論破してやりました。

「りな」が段々と涙目になってきました。

さすがにネタのためとはいえ、後味が悪いものです。

でも、1度決めたらやりぬく、それが男ってもんです。

さあ、シッカリとトドメを刺しましょう

 

俺:「だいたいな、お前は遊ぶ金欲しさに体を売って恥ずかしいと思わないのか?世の中にはなぁ売りたくないのに仕方なく売ってる人がいてなぁ・・・」

 

またもや延々と売春の歴史から現状までを語ります。

ええ、このために勉強しましたから

すると、僕の言葉の暴力が効いたのか、「りな」が突然泣き出すのです。

 

りな「私だって・・・・やりたくってやってるんじゃないんだもん」(泣きながら)

俺「え?でも、好きなことやれてお金もらえてラクショーって言ってたじゃん」

りな: 「ちがうもん、お父さん仕事なくなってどっか行っちゃったし、お母さんは入院するし・・・・私が稼がないと高校の学費も弟と妹の給食費も払えないんだよ・・・・だから仕方なく援助交際やってるの」

 

終了です

ディープ過ぎます。

軽率に彼女のことを「お小遣い欲しさに援助交際している娘」と決め付けてました。

とりあえず、彼女に生活保護かなんかを申請するといいよ、と勧めて家まで車で送ってあげましたとさ。

 

こんな後味が悪い企画ははじめてだ・・・・。

おわり   (Numeriより転載)

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出会い系サイトと対決する 


(Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)

えー、風邪をひいてダウンしておりました。

熱が39度ぐらい出たりなんかして、おまけに腹にまでダメージがきたらしく、常に下痢ピー状態。壊れた水道の蛇口のごとく茶色いパーフェクトウオーターが流れ出ておりました。

そんなこんなで、歩けばフラフラ、3分もすれば腹を抱えて大便コーナーにゴー!なんていう状態でしたので、とてもじゃないが仕事どころじゃありませんでした。日記更新なんてできるはずもない。

そんなこんなで、午前中はなんとか瀕死状態で会社に行き、フラフラで半分便を出しそうな状態で仕事をしてました。どうしても片付けねばならない仕事をなんとか片付け、午後は家に帰ってダウン。布団とトイレの往復超特急状態でした。

でまあ、そんなグロッキー状態でもサイト更新だけはしなければならないという、根本的に何かを間違った可哀想な思想の元、ここ2日は以前から書いてあったボツ日記をそのままアップするという暴挙に出ました。申し訳ありません。

そんなこんなで、風邪をひいてグロッキー、うんうんと唸り苦しみながら布団に入っておったのですが、すると携帯電話にウィンウィンと着信があったのです。

「あー、うるせーなー、こっちは風邪ひいて死にそうなんだよ」と、誰からの電話か知りませんけれども無視しておりました。しかしながら、やけにしつこく鳴ってるものですから、「何かの急用なのかもしれないな」、そう思い、携帯電話を手に取ってみたのです。

「着信中 06-XXXX-XXXX」

見ると、なにやら大阪の市外局番から電話がかかってきてました。携帯電話からかけてくるような大阪の友人は何人かいますが、固定電話からかけてくる友人なんていません。

「これはまさか、友人が会社の金を横領したかなんかで緊急事態が発生し、急いで僕に対して金の無心でもしてきてるんじゃないだろうか」

緊急を要する事態かもしれない、事件は会議室で起こってるんじゃない、大阪で起きてるんだ!と思った僕は、熱でフラフラになりながらも電話を取ったのでした。

「もしもし」

「あー、もしもし、こちら株式会社○○データというものですけど、そちらは090-XXXX-XXXXの電話で間違いないですよね」

妙にキューティクルな声をした女性からの電話。

事務的な喋り口調、おまけに株式会社○○データとかいうちょっとITぽい意味不明な会社名、さらには僕の携帯番号でしか個人の識別をできていない、という点から、出会い系サイトなんかの利用料に関する詐欺だろうと判断。

「はい、そうですけど」

「えっとですね、そちらの番号から当社の出会い系サイトを利用した記録が残っておりまして、利用料が未払いになっているんです。ですから、利用料と延滞損害金を払ってもらいたいんですよ」

元々、僕はこんな請求をされるいわれはないのです。「出会い系サイトに挑戦してみた」で使った出会い系サイトにも料金は払いましたし、それ以外に使ったことなどないのですから。

「いやー、使った記憶ないですね。どこのサイトを何月何日に使ったことになってるんですか?」

「はい、出会い○○○というサイトをですね、8月9日午後7時21分に後払いで入会登録してますね、その利用料金が支払われていません」

どうやら僕は8月9日にその出会いサイトを利用したようです。全く覚えがないのですが、その日何してたっけなあ・・・とか思い返してみると、8月9日は見紛う事なき僕の誕生日、しかもその日は東京ビッグサイトでNumeriオフをやっていたのです。

午後7時21分っていったらモロにオフ会の真っ最中じゃねえか。そんな中で出会い系サイトの登録などできるはずもない。あれか、僕はオフ会会場でコソコソと出会い系サイトに登録してたとでも言うのか。どんなオフ会主催者やねん。

「いやー、使った覚えないですね。でもまあ、使ってないとも言い切れないし・・・、よく覚えてないです」

明らかに使ってないのは間違いないのですけど、少しばかり彼女を使って遊んでみることにしました。明らかに使ってないのに堂々と金の請求をする、これには詐欺の匂いがプンプンとしてきたのです。

「そう言われましても、こちらに使った記憶が残ってる以上、お支払いいただくしかないんですよ、分かります?」

妙に高飛車な口調、まるで子供化何かに言い聞かせるようにバカにしくさった言い方でいう電話の向こうの女性。なんというか、どうやら僕なら勝ち目がある、コイツは払うに違いないと判断したみたいです。

「そんなこと言われてもぅ・・・誰か友達が勝手に僕の携帯使ったのかな・・・どうしよう・・・・」

と、すげえ優柔不断で弱々しい、脅したら素直に払いそうな青年を演じてみました。

「そうかもしれませんね、誰かご友人を調べるなり何なりしてください。ただし、そのどんな事情があるにせよ、この電話番号で登録されている以上、その所有者さんに料金を支払ってもらいます」

妙に高圧的、払うのが当然と言わんばかりの口調でした。

「ちなみに、いくら請求されてるんですか?僕あんまりお金持ってないんですけど」

と、もはや払う寸前、「あと一押しで払っちゃうかもよ、俺は」とエサをちらつかせたところ、

「利用料金は3000円、延滞損害金として35000円、併せて38000円請求されていますね」

利用料金が3000円、そいでもって遅延損害金が35000円、どこのボッタクリバーですか、これは。

「いや、それっておかしくないですか?3000円で3万いくらも・・・」

と、もう観念、泣くしかないといった状態で弱々しく言ったところ、

「払わないお客さんが悪いんですよー、アナタが払わないことによってそれだけ損害が発生してるんですよー、払ってもらいますからね」

と、明らかに詐欺のくせに勝ち誇ったように言いやがるんです。姉ちゃん、カワイイ声してなかなかやるじゃねえか。

さらに姉ちゃんを調子付かせてやろうかと、

「でも、3万円は明らかに高くないですか?」

と聞いたところ、

「そう言われましても、それだけの損害が発生しているから仕方ないんですよー。入会時の規約にも支払いが遅れた場合は3万円払うって書いてありますし、お客様が入会されているということは規約に同意したことになりますし、全く正当な金額なんですよ」

まあ、ツッコミどころ満載なのですが、とりあえずここはスルー。さらに弱々しい男を演じます。この男はカモだ!そう思わせればお姉ちゃんから香ばしい発言が多数引き出せます。

「でもー、ほんとに使ったのかなぁ・・・証拠も何もないし・・・」

とか、弱々しく言うと

「でしたら、利用記録を書類でお送りします、それを見ていただければそちらの電話から利用されたことが分かりますよ。書類を送りますので住所を教えてもらえますか?」

書類を送ると言い、住所を教えろと要求しています。こういった電話の場合、大抵は何らかの理由をつけて住所を教えろなどと言ってきますが、絶対に教えてはいけません。教えようものなら債権回収業者と対決する みたいな状態になりますので、絶対に教えてはいけません。向こうはこちらの個人情報が喉から手が出るほど欲しいのです。教えてはいけません。

あと、利用記録を記した書類なんていくらでも捏造できます。そんなもんいりません。

「住所はちょっと・・・・」

と、泣きそうになりながら教えるのを躊躇していると、

「住所は教えられない。ということですね。でしたら、払ってもらえるのですか?振込口座は・・・」

とか、何か知らないけどイキナリ払うことになってました。頭にウジでもわいてんじゃねえのか、この姉ちゃんは。

「でしたら、お母さんに相談してからもう1回電話します。あと、色々な人に相談したいし」

とか、マザコン全開、明らかに自分の意思で物事を決められない男を演じて言ったところ

「それは支払い拒否ということでしょうか?こちらとしましては詐欺でもなんでもないので相談されても構わないですよ。警察でも消費生活センターでもいくらでも相談してください。詐欺では正当な請求ですから。」

警察だろうが自衛隊だろうが何でも来い発言。ますます香ばしさが増してきました。

「ただし、今この電話で払うという返事が得られない以上、当社は債権回収業者に債権を回すか、裁判をして料金を回収することになります。その場合はお客様に大変不利益になると思いますが」

と、脅し全開、ノンストップ姉ちゃんみたいな状態になってました。で、ここからさらに延々と話をループさせながらお姉ちゃんと弱々しい男がやり取りしていたのですけど、

「でも、やっぱり僕はそのサイトに登録した覚えがないんですう」

「でしたら、誰かが勝手に登録したのでしょうね。そちらの電話から登録されたのは間違いありません。個人の電話は個人の責任で管理するもの、勝手に使われたのはアナタの責任ですから、支払う義務はありますよ」

勝手に使っても登録できるようなシステムにしてるほうも問題あると思いますけどね。

「それでも、3000円の利用で35000円は高いですよぅ」

「それはですね、実際にアナタが払わなかったせいでそれだけ当社に損害が出てるからです。何回も言ったでしょ!当社は料金未納者を専用のソフトで管理してるんですけど、そのソフトは他の会社に特別に発注して作ってもらったソフトで何百万円もするんです!それを使うだけでも料金は高くなるし、請求の電話、メール、私への給料。全部含めて35000円なんですよ!」

どんなソフトやねん。お前の給料ってなんやねん。

「でもやっぱり、そんな高いお金払えないですよぅ(泣)」

「今払っていただかないと、もっと高くなりますよ。債権回収業者に回せばもっと損害金が加算されて請求されますし、裁判になれば当社が依頼する弁護士への報酬も全て含めて請求します。今払うからこそ35000円で済むんですよ。後になれば30万、40万と請求額があがりますよ!今払ったほうがいいんじゃないですか?」

もうムチャクチャ、明らかにムチャクチャでなんとか脅して支払わせようとしているみたいです。なんか彼女とやり取りしてて、さらに熱が上がったような気がします。なんかフラフラしてきた。

「とにかく払ってください、払ってください!払わないと大変なことになりますよ!」と、電話の向こうのお姉ちゃんも明らかにスパークしてきたので、ここで弱々しい男を演じるのを止め、一気に巻き返しをはかります。

「おいおい、お姉ちゃんよ、さっきから聞いてりゃやけにムチャクチャ言いやがるけど、本当にそれで金を取れると思ってるのか?」

「は・・・?何がですか?」

「わかんないの?自分が言ってることのムチャクチャさが」

「・・・わかりません」

弱々しく泣きそうになっていた男の口調が変わったので、明らかに狼狽し始めました。

「よっしゃ、じゃあ一個づついこうか。まず、延滞金35000円。これは明らかにムチャクチャだよな」

「ですから、それは実際に損害が発生していて、入会時の規約にも・・・」

「あのな、そんな何百万円もするソフト料金を払う必要なんてねえんだよ。未払い者の管理なんてエクセル使えば一発だろうが、ボケ。それにな、いくらそんだけ損害が発生してようが、規約に謳われてようが、んなもん無効だ。消費者契約法で定められた年14.6%以上の延滞金は無効なんだよ。そんぐらい勉強しとけ」

「ですから規約にそれだけかかると明記されてますし、それに同意して入会している以上・・・」

「バカ!わかんねーのか。消費者契約法第9条2項を見てみろ。消費者の金銭支払債務の延滞時に年14.6%を超える延滞損害金を定める条項は無効」ってあるだろ、同意しようが何しようが、その規約にある条項自体が無効なんだよ、ボケが」

「でもでも・・・」

「あと二個目。お前、裁判やってでも請求するって言ったよな。その場合、そっちの弁護士費用まで請求するから請求が高額になるって言ったよな」

「言いました・・・」

「お前な、弁護士報酬敗訴者負担制度って知ってるか?」

「知りません・・・」

「裁判をやって、負けた方、敗訴した方が勝訴した側の弁護費用まで負担するという制度だ。お前の言った「裁判になったら弁護士費用も請求しますので高額になります」ってのは、俺が負けた場合、そっちの弁護士報酬まで請求されるってことだろ?」

「はい」

「つまり、敗訴者負担制度になるってことだよな。あのな、敗訴者負担制度は日本では一部の例外を除いて認められていないんだよ。みんな弁護士への報酬は依頼した物が払うことになってるんだよ、わかるか?」

「知りませんでした・・・」

「つまり、貴様は弁護士費用などは請求できない。3000円と年14.6%の延滞金それだけを請求するの。それだけのために裁判やるんか。弁護士報酬払ってやるんか」

「やれません・・・」

「言ってることがムチャクチャなんだよ。黙って聞いてりゃムチャクチャなんだよ。詐欺と思われても仕方ないだろ。大体な、アンタが利用しているといってる日付と時間、ワシは70人を越える人間とパーティーしてたんやで。右へ左へ大忙し、出会い系サイトなんて使えると思うか?」

「・・・・・・」

「よっしゃ、じゃあ3個目の矛盾点いこうか。個人の携帯電話は個人の責任で管理って部分だけどな・・・・」

「・・・・もういいです」

さっきまで物凄く勝ち誇ってたのに、すごく元気イッパイに僕を責め立ててたのに、ちょっと反論するとこのありさまです。

「もういいって何だよ、貴様は頭の中に妖精でも飼ってるのか。請求するなら最後まで請求しろよ。正当性を主張してみろよ。人を小馬鹿にして請求したんだ、それぐらい最後まで責任もてよ。途中でやめるんなら詐欺でしたって認めろよ」

「詐欺ではないですけど・・・もういいです・・・」

「詐欺じゃない、正当な請求だって思ってるんなら、最後までやり通せよ、それが責任ってもんだろ。やろうよ、いくらでも受けて立つから。早く裁判やろうよ。」

まあ、詐欺でしたって認めることなんてできないと思うけど、電話の向こうのお姉ちゃんは随分と戦意喪失している様子。なんか半泣きな雰囲気でしたので、ここで話の方向性を変えます。

「なあ、アンタ、この仕事してて楽しいか?」

「・・・・」

「世の中の仕事ってのはみんな誰かの役に立ってる。会社員だって商店の人だって、風俗嬢だってAV女優だって誰かの役に立ってる。それで金を得てるんだよ。職業に貴賎はないって確かにそうだけど、やっぱ誰かの役に立たない仕事ってのはダメだと思うんだよ」

「・・・・」

「それがアンタはどうだ。気の弱い人なんかをさっきの調子で脅し、それで金を払わせてるんだろ。人を騙し、脅し、それで得た金から給料を貰う。それって誰かの役に立つのか?」

「・・・・」

「アンタの親や恩師なんかに今の仕事を説明できるか?人を騙して脅して金を振り込ませる仕事やってます。って報告できるか?」

「・・・・」

「俺はな、世間的に嫌われてる仕事も立派なもんだと思う。それが誰かの役に立つ仕事なら、どんな仕事でも胸を張って親や恩師に報告できる。でもな、人を騙す仕事なんて、俺は報告できんよ」

「・・・・・・・・・、はい」

と、一方的に僕ばかり喋る展開になってきました、ここからが大変盛り上がってきて面白いことになりそうなのですが、ここで大問題発生。冒頭でも書きましたとおり、今は風邪をひいていてオマケに下痢まで併発しています。もう緊急を要するほどに下痢を放出したくなったのです。

「ちょっとまて、ちょっとトイレに移動するからちょっと待て」

「はい」

で、携帯電話をトイレまで持って行き、ワザと彼女に聞こえるようにケツの位置から「ブー」とか「ピー」とか「ビチョルルルルルル」とか、完全無欠の下痢サウンドを拾わせてました。サウンドだけで臭ってきそうな、そんな音を彼女に届けてきました。

すると、よほどそれが気に障ったのか、大便を終えた僕が

「いやー、すごい下痢だったよ。もしもし?」

と話し始めたら

プープープープー

と見事に電話を切られてました。一瞬、彼女が対抗して下痢サウンドを聞かせてくれてるのかと思ったじゃねえか。やけに機械的な下痢音だなって興奮したじゃねえか。

クソッ!ここからさらに話を発展させ、「彼氏はいるのか?」とか「スリーサイズは?」「どんな下着はいてるの、ハァハァ」とかセクハラな質問をしようと思ってたのに。おまけに、最終的には彼女のメルアドや電話番号を聞きだして、出会い系サイトみたいにしてやろうと思ってたのに。

「出会い系サイトの利用料金請求の詐欺電話を出会い系サイトのように利用する」

っていう、早口言葉のようなトンチの効いたことをやろうと思ってたのに。失敗に終わりました。

でまあ、電話番号は分かってますから、もう1回かけてやろうかとも思ったのですが、さすがにそれも可哀想なのでやめておきました。

詐欺のような出会い系サイトの利用料金請求の電話、そんなんでも若い生娘と電話で話せて楽しかったなーと思いながら寝ていたら、また熱が上がったのを感じました。        (Numeriより転載)

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宗教勧誘と対決する

(Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)

そもそも、宗教とは信仰であって、自分の心の拠り所として信じるものなのです。自分でどのような宗教を信じようが何しようが、それこそ財産全てをお布施にしようが自由なのですが、他人に迷惑をかけてはいけません。

信じる心というのは人それぞれの価値観によるものです。自分の尺度で信じる信じないを判断すればよい。人から勧誘されて無理に信じるものでもない。なのに、如何わしい宗教であるほど熱心に勧誘をしてくるのですからおかしなものです。宗教は勧誘されるものではない。自からアクションを起こして信じるものなのだ。

ある土曜日の午後、一人でうだうだとテレビを見て過ごしていると、電話がけたたましく鳴った。家の固定電話に電話などほとんどないのに、珍しいなと思いつつも受話器を上げる。不意に訪れたコールの主は大学時代の旧友からのものだった。

「もしもし、Nだけど・・・俺のこと覚えてる?」

大学卒業以来、とんと音沙汰のなかったMからの電話。予想だにしなかった旧友のコンタクトに喜びを隠せない。

「おー!Nじゃんか。どうしたよ?久しぶりだなー、おい」

懐かしいと友との会話は、自然と僕らを青春時代へと引き戻してくれる。お互いの近況報告から始まり、懐かしい思い出話に華が咲いた。すると受話器の無効のNが急に切り出す。

「会って話がしたいんだけど、今から出てこれる?」

なんとまあ、会って話したいとか面倒なこと言いやがるのです。僕はですね、土曜の午後をまったりと過ごしていたわけです、それこそ、ちょっとまどろんできてて寝ちゃうかもという状態だったんです。本来なら電話ですら僕の休息をかき乱すものであり、たたっきりたいところなのです。それを懐かしい旧友だから我慢して話してたのに、出て来いとは何事ですか。僕に外出させてどうしようというのですか。

「悪いけど、外出するのは面倒。電話で良いじゃん」

とか言うのですけど、彼は頑なに聞き入れようとはしません。

「いや、ホントちょっとだから、ちょっとだけ会って話そうよ」

男性から熱烈にアプローチされても気味が悪いものがあります。ますます僕は外出する気が失せてまいりました。

「じゃあさ、ファミレスで会おうよ、飯とか奢るからさ」

なんですと!!飯を奢ってくれるらしいです。ちょうど金もなく空腹に苦しんでいた僕。この飯というオプションはたまらないほど魅力でした。行こうかな、会って奢ってもらって栄養を蓄積させてもらおうかな。とか思うのですが、よくよく考えると怪しいのです。

何故、Nは飯を奢ってまでして僕に会いたいのか。そこまで熱烈に僕のファンというわけでもなかろうに、出費をしてまで会いたがる彼の心情が理解できないのです。何か裏があるに違いない。危ない危ない、騙されるところだった。飯につられてノコノコ出かけていって罠にはめられるところだった。ワタクシは飯ごときでは釣られませんぞ。

「おまえさー、怪しいよ。何で飯奢ってまでして俺に会いたいわけ?何かあるの?」

少し厳しい口調で問い詰めます。受話器の向こうの彼は少しまごついた様子で押し黙ると、しどろもどろに答え始めました。

「実は・・・お前に合わせたい人がいるんだ。お前を紹介してくれってうるさくてさ」

なんですと!!僕を紹介して欲しいとオネダリしている婦女子がいるのですか?熱狂的に僕に会いたがってるちょっと内気で、テレ屋さんでメガネっ子、でもメガネを外すと意外と美人で、夜はベットですごいんですっていう婦女子がいるのですか?もうどうしよ、何かドキドキしてきました。

「すぐ行く」

受話器を置くや否や、光速で身支度を整え、大車輪の如き勢いでNの指定するファミレスへと向かいしました。思えばこれが、これから巻き起こる悲劇の始まりだったのです。

車をぶっ飛ばし、電話から約15分ほどでファミレスに到着。人間やればできるものだと痛感。早速、Nの姿を探します。いや、NなんてどうでもよくてNの横に座ってるであろう僕ファンの可憐な白ユリのような美少女を探します。

みつけた。

奥のほうのボックス席で、Nが相変わらずの間抜け顔でコーヒーを飲んでます。大学を卒業してから何年も経つのにあいつも変わらねえな。などとセンチメンタルな気分に。いかんいかん、Nなんてどうでもいい。問題はその横にいるであろう婦女子だ。と思って視線をNの周辺にやると。

いました。

Nの横に偉そうにふんぞり返ってる30後半ぐらいの外見のメガネのオッサンが。ふざけるな。何が会わせたい人がいるだ。全然美少女じゃねえじゃねえか。それどころか婦女子ですらないじゃねぇか。殺すぞ、ホントに。

などと怒っても仕方ないので、落ち着いてそのオッサンを観察してみます。

外見は本気でいい歳したオッサンです。髪は短髪で野暮ったい雰囲気。それより何より服装が怪しいです。どこで買ったの?というぐらい時代と逆行した服を着ています。英字がプリントされたシャツなんて今時ありえない。NewYorkとか平気で書かれたシャツとかありえない。それ以上にオッサンの目つきが異常すぎる。腐った魚をさらに腐らせたような目。瞳孔も開いちゃってる。なんていうか滅茶苦茶怪しい顔つきなんです。もうこの人がヘッドギアとかつけてても何も不思議ではない。

とにかく、そのボックスだけ空気が異様なんですよ。オッサンとNがコーヒーを飲みながら作り出している雰囲気が明らかに異様。こんなボックスに飛び込んでいって無事に済むわけがない。とか思うんですけど、異常に好奇心がうずいてしまった僕。まだ彼らには気づかれていないので逃げればいいものの、満面の笑みで近づきます。これからおこる異様な世界に胸を弾ませながら。

「よう、N。久しぶり。待ったかい?」

普通にNの対面に座ります。ちょうど、並んで座っていたNと異様なオッサンと向き合う形に。てかNとオッサンは僕が来る前は二人っきりだったのに並んで座ってたわけだ。なんか異様な二人なんだよな。

僕が席に座ったのを確認して、ウェイトレスが水とオシボリを持ってやってきます。そこですかさず注文しました。

「エビフライ定食」

相手がコーヒーを飲んでるのに、何の迷いもなくエビフライ定食ですからね。ちょっとどうかなって思ったけど、飯を奢るという約束だったのだから遠慮なく食べさせてもらいます。婦女子がだめとなった今では飯ぐらいしか心の支えがない。

ウェイトレスがメニューを下げ立ち去る。さっそくNが切り出した。

「こちらが、Yさん。俺の高校時代の先輩なんだ」

なるほど、明らかに異様なオッサンはNの先輩か。どうみても30後半の頭がいっちゃってるオッサンなのだが、Nの先輩ということは最大でも2つ年上程度。ってことはおいおい、このなりで20代かよ。すげえな。とか思ってると、Nがさらに続ける。

「今日はすごくためになる話を先輩からしてもらおうと思ってさ、お前を呼んだんだよ」

なんかカッチーンときたね。温厚な僕が珍しくムカッっときた。ハッキリ言って、このY先輩なる人物がどういう人物だか知らないが、明らかにイッちゃってる人物であることは伺える。そんな人物に何で僕がためになる話とやらをしてもらわねばならないのか。誰も頼んでねーよ。

とか思うのですけど、僕もいい大人ですので腹が立っても我慢します。必死で堪えて愛想笑い。それが大人というもの。

そしたら、偉そうにYとやらが話し始めるのです。

「君は知らないと思うけど、我々は○○教を信仰している。今日は君にも○○様のありがたいご利益について話そうと思ってね」

きたきたきたきたきたーーーー!!薄々は勘付いてましたが遂にきました。宗教勧誘です。しかも、有益な話を教えてやるといった妙に高飛車な態度です。それよりなにより、友人Nまでその○○教とかいう宗教に心酔していて、僕まで引き込もうとしているというプチ裏切りに心の高鳴りを抑えきれない。アレか俺なら簡単に引き込めるとでも思ったか。

こういった宗教のみならず勧誘行為というのは、監禁とまではいいまえんがそれに近い行為をし、入信するまで契約するまで帰さないぜといった手法を取りがちです。気の弱い人なら2時間もあれば帰りたい一心で落ちてしまうでしょう。そういう場合は、迷わず警察を呼びましょう。それが最善の方法です。110番が難しいのであれば、周りの人間に、ファミレスならば店員さんなどにコッソリと助けを求めるのが得策でしょう。

ただ、僕はこれらの方法を採って安易に解決したりはしません。せっかく旧友NとY先輩がありがたお話をしてくれるのです。徹底的に楽しんでみましょう。さあ、楽しい攻防戦の始まり始まり。

「○○教の教えに従っていれば、間違いなく幸せになれる」

一通り教えの説明が終わった後に、Y先輩は言い切りました。なんの躊躇もなく言い切りました。どうやら○○教に入ると間違いなく幸せになれるらしいです。

「でも、幸せの基準って人それぞれですよね。僕なんかコーラが美味いだけで幸せだって感じるし、中には100億もらっても幸せだって感じない人もいる。問題は気の持ちようなんじゃないですか?星占いとかで、良いことがあったときだけ占いが当たったとか思うでしょ。逆もあるんですけど。要はそういうことで別に○○教のおかげで幸せになったとかそういうのじゃないと思いますよ」

「いや、確かに幸せになるんだよ」

「へえー、具体的には?」

「○○さんって主婦の方がいるんだけどね。子供が不登校で悩んでたんだよ。でもね、ウチに入信したら急に子供が学校に行きだしたらしいんだよ。それもこれも○○さんが熱心に信仰したおかげなんだよ」

「いや、それは○○さんが信仰したからとかではなくて、単に子供が頑張っただけでしょ。その子供の頑張りを褒めることもせずに、信仰のおかげとする姿勢は親として問題がありますよ。」

「いやね、他にも沢山いるんだよ。ウチに入って人生が好転したって人が」

「だから、それは星占いと一緒で・・・」

こんな問答長い間続きました。なんだかワクワクしてきます。僕はこんなにワクワクして喜々として議論を進めているのにNはずっとうつむいたままでした。少し後ろめたい気持ちでもあるのでしょうか。Y先輩もなんか疲れてきてるようです。当たり前です、僕は彼らを全否定するという姿勢ですから途方もない屁理屈ばかり述べてますからね。

そして、二時間ほど議論をすると、

「あれ、Yじゃん」

とか言って数人の男女が我々のボックスに近づいて参りました。男二名に女一人。いずれも目がイッちゃってます。瞳孔開ききってます。間違いなく信者。YとNの仲間。偶然会ったことを装ってますが、明らかに計算づくの行為でしょう。2時間経って口説き落とせなかったら追加人員投入って決めてたのでしょう。

「せっかく会ったんだし、相席していいかな?」

返事も聞かずに追加人員どもはモリモリと座ってきます。僕の左右に新たな男信者二人が座り、対面にNとYそれに女信者という素敵なシフトが組まれました。もう逃がさないぜ!といった熱い気概がビンビンに伝わってきます。

そいでもってNを除く4人が必死で勧誘トークですよ。わかったから4人一緒に喋るなって。聞き取れるわけねぇだろ。

「本当に素敵な所だから。集会もクラブ活動みたいな雰囲気だし。一度参加してみてよ」

「絶対に幸せになれるから」

「僕らはね、君にもこの幸せを分けてあげたいと思ってるんだ」

ものすごい勢いで勧誘トークを繰り広げるヘッドギアの似合いそうな信者達。それぞれに丁寧に反論してあげます。それでも反論を受けてヒートしてくる信者達

「入信しないと地獄に落ちる」

とまで言い切ってくれました。面白いじゃねぇか。落とせるものなら落としてみろってなもんです。防戦ばかりではなんなのでこちらからも少しアクションを。

「あなた達の信仰する○○教の最終的な理想は何なのですか?」

と初めて自ら話題を振ってみました。しかし、誰も答えられないよう。理想すらも即答できない宗教なんて馬鹿げてる。

「やっぱり幸せかな。皆が幸せな世界が理想だよ」

信者のうちの一人が言い出します。幸せでくくればなんでももっともらしくなると思っているようです。

「では、信者だけ幸せならいいのですか?全人類が幸せならいいのですか?それとも全ての生物が幸せである必要があるのですか?」

もう、とんでもない次元まで話が発展していて、キリストがどうしただのとかそういう話題になってました。結局、追加人員が投入されてからさらに5時間は議論してました。エビフライ定食も2回食べちゃったものな。四人相手に長時間喋るのは疲れる。しかし、向こうはもっと憔悴しきっているよう。Nなんかずっと俯いてて喋らないんだけど、他の信者どもも明らかに疲れてきている。

「そもそも愛というのはですね・・・・」

それでも気力を振り絞って議論を持ちかける信者。もうここまできたらいくらやっても僕が落ちないことぐらい分かっているだろうに。それでも辞められないらしい。可哀想に、きっと辞められない理由があるんだろうな。

明らかにこのままではどちらかが気絶するまで終わりそうにありません。僕は一向に構わないのですが、さすがに信者さんたちが可哀想です。Nも含む彼らはきっと上の人間に言われて引くに引けないのだと思う。新規入信者を捕まえてこないといけないのだと思う。ならば彼らと対決してもなんら意味はない。戦うべきは上の人間だ。

「もう埒があきませんし、別な場所で話しましょうよ。あなた達が集会を行ってる場所で良いですよ。僕をそこに連れて行ってください」

彼らが集会をしている場所がどこなのか知りませんが、そこに行けば彼らを操る上の人間がいるはずです。そこで戦うしかない。僕は信者を気遣って上の人間と話をしようとしてるのに、当の信者は

「よかった。やっとpatoさんも理解してくれたのですね」

と、まるで僕が入信するかの喜びよう。あのな、集会に連れて行けとは言ったが入信するとは一言も言ってないぞ。それどころか集会場で暴れる気だぞ。

「いえ、入信はしませんよ。あくまでこの目で見定めるためです」

きっぱりと言い切っておきました。それを受けて信者さんは残念そうな顔をしてましたが

「ではいきましょうか、総本山に」

とか言い出しました。どうやら敵の本丸に連れて行かれるようです。途中で逃げぬようにという配慮からでしょうか、僕が乗ってきた車はファミレスに放置しておくように言われました。そいでもって、誰の車かは知りませんが白い車に乗せられて移動します。なんか、僕は後部座席の後ろに座らされて、両サイドをガッチリと信者がガードという素敵な光景でした。意地でも逃がさないぞという気迫が伝わってきます。そんなことしなくても逃げないってば。

車に揺られること1時間半。山間部にある小規模な都市に連れて行かれました。緑豊かで街自体にも歴史的名跡が多数ある都市。信仰宗教の総本山施設があっても不思議ではありません。

さてさて、ここからはかなり気を引き締めて行かねばなりません。なにせ、「入信しないと地獄に落ちるぞ」と平気で言うような連中ですから。入信させるためには手段を選ばない可能性があります。変な地下施設に連行されて薬物を飲まされ、徹底的に洗脳ビデオを見せられる。そんな仕打ちを受けても不思議ではないのです。下手したら完全に洗脳されてヘッドギアとか喜んでかぶる羽目になりかねない。

ギュッと唇を噛み締め、凛とした表情で総本山へと向かいます。

いやね、総本山というと普通は大きな寺のような施設やら、新興宗教とかの場合なら近代的な大きなビルやらアートな建造物であると予想するではないですか。それこそ、そんな施設なら秘密の地下室とか普通にあって監禁されそうな勢いで怖いのですが、僕が連れて行かれた総本山はそういった総本山とはかけ離れていました。ムチャクチャ拍子抜けするぐらい総本山がショボイの。

いやね、なんかマンションの一室なのよ。総本山が。

判明した瞬間に本気でズッコケそうになったもの。仮にもあそこまで熱烈に勧誘された宗教ですよ。ものすごく大掛りな信念を唱え「世界中に羽ばたく」とか機関紙に書いてあったような宗教ですよ。その宗教の総本山がこんなマンションの一室だなんてありえない。人目を盗んで営業するデートクラブとかじゃないんだからさ。どうなてんだよいったい。あーあ、表札に「川口」とか書いてあるし。もう見てらんない。どこが総本山なんだよ。

総本山に行くということでちょっとビビっていた僕ですが、あまりのショボサに安心しきりました。もうムチャクチャ強気になってます。

さて、その総本山と呼ばれるマンションの一室に足を踏み入れると、玄関には多数の靴が行儀悪く脱ぎ散らかされておりました。なんか、ちょうど集会と呼ばれるものが行われているらしく多数の信者が終結しているようです。狭いマンションの一室に多数の信者が。

僕も靴を脱ぎ、集会を見学させてもらいます。僕を連行してきた信者やNも集会の輪に加わります。ざっとみて信者は20人ぐらいでしょうか。男女比は半々ぐらい。年齢層は僕ぐらいの年齢からマダム層ぐらいまで様々です。ちょっと若い女性の比率が多いような印象を受けました。

皆、手には小さな数珠のようなものを持っており、お経のようなお経ではないような言葉をブツブツと唱えながら祈っています。一室の片隅に置いてある小汚い像のようなものに向かって狂ったように。それこそ床に膝を突いて、狂うたかのように髪を振り乱して祈ってます。20名以上の信者が一斉にですよ。

部屋の片隅でその光景を見ていた僕は一気に血の気がひきました。言い切ってしまおう、こいつらは狂っていると。それよりなによりショックだったのは、旧友であるNまでもが必死の形相で頭を振って祈っているということ。学生時代に一緒に釜の飯を食い、レポートを貸し合い、合コンにも行ったN。そのNがまるで別の世界に行ってしまったかのように思えた。すごくすごく心が痛かった。心をえぐられたかのような気分になった。こんなNの姿は見たくないと。

延々と続く祈り。もうかれこれ1時間近くやっています。信者達は明らかに疲労の色が隠せないのですが、それでも祈り続けています。何が彼らにここまでさせるのか。

そうこうしていると、入り口の扉が開き、一人の男が入ってきます。

恰幅のよい中年男性。やや剥げあがった頭に色眼鏡。色眼鏡の奥底からはイッちゃって瞳孔の開ききった瞳が伺えます。

「おー、みんなやっとるねー」

馬鹿でかい声で信者達に挨拶をする中年。その言動から明らかにボス格であることが伺えます。信者どもは、このボス中年の存在に気がつくや否や、祈りを行う手を休め、「お疲れ様です」と挨拶をします。もはやノリは体育会系。

素早くY先輩がボス中年に近づき何やら耳打ちを。それを受けて満面の笑みを浮かべるボス。のっしりと僕の方に歩み寄ってくると

「今日から入信したpato君だね、私はここの代表をさせてもらっている○○です。」

とかいって、変なお経のようなものが書かれた冊子と、信者が手にしているものと同じチープな数珠を手渡されました。なんか、いつのまにか入信したことになっているみたいです。

満面の笑みで握手を求めてくるボス。

満面の笑みで見守るY先輩。

死に物狂いの形相で祈るN。

もう全員まとめて地獄に送ってやりたい。

さらにボスはえびす顔で続けます。

「やったなY君、これで今月の新規勧誘のノルマ達成じゃないか」

とかY先輩の肩をポンポン叩きながら行ってます。Y先輩もまんざらではない様子で少し照れくさそう。やはり勧誘にはノルマがあったようです。それで彼らはあんなに真剣だったのか。

いい加減、そろそろキレても良い頃合かな。当初の目的が総本山でボス格相手に大暴れでしたし、いつのまにか入信したことにされてるし、そろそろキレても差支えがないかと思います。さあ、精一杯キレましょう。

「グルルルルルルルルァァァァァァァ!誰も入信するなんて言ってねぇだろうがぁぁぁぁぁぁぁ」

もうありったけの大声で叫んでやりました。手渡された冊子を破り、数珠を引きちぎりながら叫びました。Yもボスも目を丸くさせ微動だにせず、熱心に祈っていた信者達も手を止めます。小さなマンションの一室、間違いなくこの一瞬だけ全ての時が止まっていた。パラパラと地面に落ちる玉の音だけが響いておりました。

さらに僕は続けます。

「黙って聞いてればいい気になりやがって、誰が入信するって言った。ああーーん?俺は入信するなんざ一言も言ってねぇぞ。俺は君らの宗教の本質を見届けるために来たんだよ、君らの本質を。そしてそれは宗教として大きく間違っていることがわかった。そんな宗教には入る気はない。」

このように、少し無理をしてでも頑なに入信する気はないと主張することが大切です。普段はヘタレな僕ですが、無理をして頑張ってみました。こんな乱暴な言葉遣い、普段なら考えられない。

明らかに気まずい雰囲気が流れ、重苦しい沈黙が襲います。しかしそこはさすがボス格。静寂を突き破るかのように口を開きます

「じゃあなにかい?我々がインチキだとでもいいたいのかい?」

宗教として間違っていると言ってるだけなのに「インチキ」なんてワードがボスの口から出てくることに驚きを隠せません。誰もそんなこと言ってないのに。

「誰もインチキだとは言っていない。あくまで宗教として間違ってるといっているだけ」

先ほどの切れっぷりから一転して淡々とした口調で。

「間違ってるって何が?」

ボスはちょっと切れ気味でした。不機嫌そうに言ってます。逆ギレってやつですね。おお怖い。

「あなた、さっき勧誘ノルマとか言ったでしょ。なんで信仰においてノルマなんてものが存在するのですか。それじゃあマルチとかなんら変わりがないと思いますよ。信じる心をもって信仰するのが宗教。それをなんでノルマに沿って勧誘されなければならないのですか。」

「・・・・・・・それは少しでも多くの人に・・・・」

ボス格ちょっと歯切れが悪くなってきています。

「先ほどの人にも言ったのですが、少しでも多くの人に信仰してもらって幸せにしたいなら、草の根運動やっても仕方ないでしょ。それに、あなた達の勧誘行為はそれはひどいものでしたよ。幸せになって欲しいという想いより勧誘ノルマを達成したいという想いのほうが強いように感じました。勧誘する側ですらマルチっぽいのに、よくそんな理想論を口にできますね。」

「・・・・・・・・・・・」

もう返答がありません。こうなったら僕の一人舞台です。もう好きなように演説します。

「無理やり勧誘する宗教を信頼はしない。友人を使って宗教勧誘であることを隠して呼び出すのは違法だ。勧誘ノルマをしく宗教はマルチだ。ここにいる大勢の人もそんな勧誘で引っ張ってこられたのではないですか?弱みに付け込んで強引に地獄に落ちるとまで言って勧誘されたのではないですか。そんなの宗教ではない。」

「そもそも、あなたがこの部屋に入ってきた際に、信者の方は祈りの手を休めてアナタに挨拶をしましたね。信仰において祈りとは重要なもの。いくら目上の人間が来ようが何しようが祈りの手を休めるなど考えられないことです。信仰において大切であるはずの祈りが希薄であると感じました。信仰よりも上下関係を優先するといった印象ですかね。ココまで祈りを軽視した宗教など他にありませんよ(ハッタリ)」

もう身振り手振りのオーバーアクション。大演説大会です。信者どももこちらに向き直って聞いております。大勢の人に聞かれて気持ちよかった。ただ一人、Nだけはバツが悪そうにしてましたが。つれてくるんじゃなかったと、勧誘するんじゃなかったという表情でした。

「・・・・・・もういい・・・帰ってくれ・・・・」

ボスは怒りを沸々と溜め込んだ様子で言います。帰れといわれても・・・・・

「僕は、逃げないようにという非常に束縛された状態で、あなた達の車に乗せられて来たのです。帰れといわれても帰れない。逃げられない状態で連れてきて勧誘する。それでも都合が悪くなると勝手に帰れですか?皆の幸せをが聞いて呆れます。ハッキリといいます、僕は帰りたくても帰れない」

そういうとボス格はしぶしぶと財布を開き、1万円札を取り出しました。どうやらタクシーで帰れという意味のようです。かなり演説をし、非常に満足したので有難くその金を頂戴し、僕は玄関へと向かいました。帰り際に信者の方々に一言

「無理やり入信させられた信者の皆さん、お祈り頑張ってくださいね。いつか幸せになれるかもしれませんよ。じゃあさようなら、チンカスども」

そのままマンションから飛び出し、家路へとつきました。タクシーで帰ったのかって?いえいえ、電車で帰りましたよ。余った金で焼肉を食べました。

それにしても、こんなことで貴重な土曜の午後を潰すなんて・・・・・。

宗教や信仰、信じる心は、自分で判断して本当に信じれるものを自分なりに信じていればいいのです。今回対戦した宗教は、新規勧誘と集会での祈りが完全に義務化されていました。そんなもの宗教ではありません。

結局、信心とオナニーのオカズは、人に決められるものでも勧められるものなく自分で決めるもの。ということです。

ちなみにN君は未だにどっぷり浸かっており、当時の同級生を片っ端から同じ手口で勧誘しているそうです。皆さんも旧友からの不意の電話には気をつけましょう。

宗教や信仰行為および特定の団体等を批判する気は一切御座いません。宗教団体名がわからないように宗教的行為や小道具の名称を若干変更しています。         (Numeriより転載)

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