かまいたちの夜

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かまいたちの夜
(Numeri の過去の膨大な日記よりオススメを転載)
職場の個室にて、誰もいないのをいいことに思いっきりオナラをしたら、ブーーーと物凄い勢いで出した本人もビックリするほどの爆音が轟いた。まるでハープのような心地よいサウンドは、それが尻から奏でられたものだとは思えないほど澄んでいて、人生で5本指に入るほど綺麗で音量の大きいオナラだった。

サウンド面では文句のつけようのないオナラでも、それに伴って払った犠牲は相当なもので、なんだろう、あまりに勢いのあるオナラだったものだったから出した直後からアナル周辺がヒリヒリする。まるでハードパンチャーがその破壊力ゆえに自らの拳を破壊してしまうように、僕のアナルもそのオナラの破壊力に耐え切らなかったのかもしれない。自分の破壊力が憎い。

あまりにも痛いもんだから、こりゃ尻が切れたかと思い、パンツを見てみたが出血は確認できなかった。それでもジンジン痛むアナルの痛みは深刻で、もしかしたらアナルの内部が切れてるのではないか、いいや確実に切れてるであろうと思われた。

よくよく考えてみると、いくらオナラが爆音だからってアナルが切れるとかおかしすぎる。もしかしたら僕のオナラは音が素晴らしいだけでなく、その中にカマイタチとかそういった類のものが含まれているのかもしれない。あらゆるものを切り裂くカマイタチ入りオナラ。オナラで殺人も可能、こんや、12じ 誰かが・・・死ぬ!

とまあ、そんなバカ話はどうでもいいとして、冷静にこの極上サウンドのオナラを検証してみると、案外これってば一般生活にも良く見られる現象だと思うのです。いやいや、オナラで尻が切れるのがよくあるんじゃなくて、あるものを良く見せるために他の部分を犠牲にするってのはよくあると思うんです。

例えば、会社でのプレゼンテーションをより良い物にするため、何日も前から寝食を忘れて準備をするってのもそうです。友人や恋人との時間も準備に費やし、大好きな酒も自粛して打ち込む。私生活の部分を犠牲にして打ち込むのです。全てはプレゼンのために。そう、アナルを犠牲にして極上のオナラを出すのもプレゼンも、根底にある部分は同じなのです。僕らの人生は、往々にして大切なものと犠牲にするものに分けられていて、それらを上手く使い分けているんだと思う。

デートに向けて、小遣いを全部使って洋服を買う年頃の高校生。

食費や遊興費を全て犠牲にしてブランド物で身を固める女性。

全てを捨てて部屋に引きこもり、ネットゲームに興じる松山さん。

フィギュア集めに夢中になるばかりに、給料もボーナスも全て注ぎ込んでしまう青山さん。

みんな大切な何かがあって、全てをそれに注ぎ込むあまり多くの犠牲を払っているのです。みなさんも自分の身の回りを見返してみてください。きっと、極端でないにしろ、何か一つのことのために犠牲にしている何かがあるはずです。

僕は、そういった姿勢が大好きです。色々と犠牲にして何か一つに打ち込む、その達成感は何物にも変え難いものですし、祭りは準備までが楽しいっていう雰囲気ですか、そういうのが大好きなんです。自分でそういう姿勢になるのも好きですし、そういう人を見るのも大好き。

僕が中学生だったころ、三鷹君という同級生がいました。彼は、全てを捨てて何かに打ち込む人の代表格みたいな人で、まだ精神的に未熟だった僕は彼に大きく影響され、彼の思想をふんだんにインスパイアされたものでした。

話がオナラの話ばかりで恐縮なんですけど、三鷹君はオナラに命を賭けている人でした。この当時の中学生なんて、勉強に打ち込むかスポーツに打ちこむか、それとも異性に打ち込むかくらいしかないのですが、そんなのお構いなし。三鷹君は全てを捨ててオナラに打ち込んでいました。

しかも、彼は僕のように「いかに素晴らしいサウンドのオナラが出るのか」という低次元な部分に賭けているのではなく、もっとステージの高い場所、つまりは別次元のハイレベルな部分に上り詰めていたのでした。

「俺は音がすごいとか、匂いが有毒ガス並みにすごいとか、そういうのはとうに卒業した」

そう言い切る三鷹君は、何かが大きく間違っているのだろうけどなんかカッコ良かった。で、そんな音とか匂いを卒業した三鷹君がオナラに何を求めていたかというと、

いかに燃えるか。

世の中には「いかに萌えるか」に命を賭けてる大きなお友達が沢山いるのだろうけど、三鷹君はそれとは別で、「いかに燃えるオナラを出せるか」の部分に命を賭けていた。本当に命を賭けていた。

学校が終わった放課後のプールサイド、というよりプール脇の人気のない雑木林。僕と三鷹君はライターを手に物陰に隠れるように潜んでいた。中学生がこんな雑木林にライター片手に潜んでいるということは隠れてタバコでも吸いそうなものなんだけど、そうではなかった。

「いいか、今から出そうだからちょっと見てろよ」

彼は嬉しそうに制服のズボンを脱ぎパンツ姿になった。そして、草木が柔らかそうな場所を見つけるとそこに腰を下ろし、両足をオッペケペーと抱えるような形になります。ここで勘違いしないで欲しいのは、両足を抱えるってのは体育座りみたいな状態でなく、開脚して抱えてる状態です。つまりはまんぐり返し。ヨガの一歩手前みたいな状態。

その状態でライターに火をつけ、尻の穴近くに火をつけたまま保持します。本当に器用に火のついたライターを保持しつつ、両足を抱えた状態を維持しています。尻の前で揺らめく妖艶な炎、なんだかそのまま吸い込まれそうな美しさすら覚えます。

「よし、いくぞ!」

そう言った三鷹君の瞳には炎が映り込んでいたのかどうか知らないけど、確かに燃え上がっていた。こいつ、本気だ。そして、

ブーーー!ボワッ!

その刹那だった。あまりにも聞きなれすぎた、サウンドレベルとしては中級程度のオナラと同時にケツの穴から炎が吹き出してきた。いや、正確にはケツの穴から飛び出したオナラがライターの火に引火したんだけど、とにかくケツの穴が火を噴いたように見えた。赤い甲羅食べたヨッシーよりすごい炎を出してた。その炎のなんと美しきことか。

「俺はこの炎をパワーアップさせたいんだ!」

そういう三鷹君の瞳は少年のように真っ直ぐで、全てを犠牲にしてオナラの炎をパワーアップさせる意気込みが伝わってきたものだった。勉強もどうでもいい、スポーツもどうでもいい、異性なんてもちろんどうでもいい、ただただオナラによって炎龍を作り出したい、それだけのようだった。

「どうやったらより燃えるオナラが出せるのかな」

そう考える三鷹君は真剣そのもので、僕も少なからず協力したい気分になったものだった。でまあ、イモとか食ったらオナラの中の燃える成分が増えるんじゃないか、とか、屋内でやったほうがいいんじゃないか、とか、同時に部屋の中に燃えやすいもの、例えばヘアスプレーなんかを充満させておき、そこでやったほうがすごい炎がでるんじゃないか、とか思いつく限りアドバイスしておいた。

結局、僕らの案は、締め切って密封した室内にスーパーハードなヘアスプレーを充満させ、そこにイモを食いまくった三鷹君が登場してライターでオナラに引火、しかも目標物があったほうが成果が分かりやすいだろうということで、新聞紙を丸めて作ったタイマツみたいなのを30センチほど離れた場所に置き、それめがけてオナラファイヤーを噴射するということで落ち着いた。

「今夜、家で早速やってみるよ、明日成果を教えるから楽しみにしてな!」

元気な三鷹君を見るのはそれが最後だった。

本当に三鷹君が上記のようなチャレンジをしたのか、ファイヤードラゴンの召還に成功したのかは定かではないが、僕が分かってることは、次の日三鷹君の顔に殴られたような傷があって元気がなかったことと、そのやりとりがあった夜、三鷹君の家でボヤ騒ぎがあったという事実だけだった。怖くてそれ以上の真相は聞けなかった。

全てを捨て、オナラの炎だけに打ち込んだ三鷹君。彼は全てを犠牲にしてオナラに没頭するあまり何か重大な間違いを犯してしまったのかもしれない。他の全てを犠牲にして何かに打ち込んだ三鷹君、たぶんヘアスプレーとか新聞紙に引火して大変な騒ぎになり、親に殴られたんだろうけど、その姿勢は本当にカッコ良かった。

あの頃の三鷹君のように、今の僕は色々なものを犠牲にして何かに打ち込めるだろうか。彼ほど純粋に何か一つのことに打ち込めるのだろうか。凄いオナラが出て三鷹君のことを思い出した時、そう思えてなんだか寂しい気分になった。

とりあえず、アナルが死ぬほどヒリヒリしてたので、本当に出血してないか再度パンツの中を覗き込んでみたのだけど、やはり出血はしてなかった。けれども、パンツの尻の部分が思いっきり破れていた。ヒリヒリすると同時にスースーすると思ったぜ。

パンツが古すぎて寿命がきたのか、本当に僕のオナラにはカマイタチが潜んでいるのか知らないけど、とりあえず、色々なものを犠牲にして、僕のオナラカマイタチの殺傷能力を高めよう、カマイタチを育成しよう、そう思った。
(Numeri より転載)
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